水痘(水ぼうそう)
水痘(水ぼうそう)の症状について
水痘(水ぼうそう)は、水痘・帯状疱疹ウイルスによって引き起こされる感染症です。主な症状は、全身に広がるかゆみを伴う水疱性の発疹です。発疹は最初は赤い斑点として現れ、次第に水ぶくれ(水疱)となり、最終的にはかさぶたに変化します。
発疹は、顔、頭皮、体幹から始まり、手足に広がることが一般的です。発疹の出現時期は異なり、赤い斑点、水疱、かさぶたが混在していることもあります。発疹の数や範囲は個人差が大きく、軽症の場合は数個の水疱で済むこともありますが、重症の場合は全身に多数の水疱が出現することもあります。
水疱は強いかゆみを伴うため、掻きむしってしまうことがあります。掻きむしると、細菌感染を引き起こし、とびひ(伝染性膿痂疹)などの合併症を引き起こすことがあります。また、水疱が破れて皮膚が傷つき、瘢痕(はんこん)が残ることもあります。
発疹が出現する1~2日前から、発熱、倦怠感、食欲不振などの全身症状が現れることがあります。これらの症状は、発疹が出現する頃には軽快することが多いです。しかし、重症の場合は、高熱が続いたり、全身状態が悪化したりすることがあります。
水痘(水ぼうそう)の原因について
水痘(水ぼうそう)の原因は、水痘・帯状疱疹ウイルス(Varicella-Zoster Virus:VZV)というウイルスへの感染です。このウイルスは非常に感染力が強く、空気感染、飛沫感染、接触感染によって感染が広がります。
主な感染経路は空気感染で、水痘(水ぼうそう)にかかっている人が咳やくしゃみをすることでウイルスが空気中に放出され、それを吸い込むことで感染します。また、水疱の内容物や、水疱が破れた後の皮膚に直接触れることでも感染します。
水痘(水ぼうそう)は、主に小児期に感染することが多い病気ですが、ワクチン接種を受けていない大人も感染することがあります。特に、過去に水痘(水ぼうそう)にかかったことがない人や、ワクチン接種を受けていない人は、感染するリスクが高いです。
水痘(水ぼうそう)に一度かかると、通常は免疫ができます。しかし、水痘・帯状疱疹ウイルスは体内の神経節に潜伏し、免疫力が低下した際に帯状疱疹として再活性化することがあります。
妊婦が水痘(水ぼうそう)に感染すると、胎児に影響を及ぼす可能性があります。妊娠初期に感染すると、先天性水痘症候群と呼ばれる、胎児の四肢や脳、目に異常を引き起こす病気を発症するリスクがあります。妊娠後期に感染すると、新生児に重症の水痘(水ぼうそう)を発症するリスクがあります。
水痘(水ぼうそう)の治療法について
水痘(水ぼうそう)の治療は、症状を緩和し、合併症を予防することを目的とします。軽症の場合は、特別な治療は必要なく、安静にしているだけで自然に治癒することが多いです。しかし、重症の場合は、抗ウイルス薬や解熱鎮痛剤などを使用することがあります。
抗ウイルス薬は、ウイルスの増殖を抑える効果があり、発疹が出現してから24時間以内に投与を開始すると、症状の重症化を防ぐことができます。主にアシクロビルやバラシクロビルなどの内服薬が用いられます。これらの薬は、腎機能に影響を与えることがあるため、腎機能が低下している患者さんには注意が必要です。
かゆみが強い場合は、抗ヒスタミン薬の内服や、患部に塗布するステロイド外用薬を使用します。掻きむしりを防ぐために、患部を清潔に保ち、爪を短く切っておくことも大切です。
発熱がある場合は、解熱鎮痛剤を使用します。しかし、アスピリンなどのサリチル酸系の解熱鎮痛剤は、ライ症候群という重篤な副作用を引き起こす可能性があるため、使用を避けるべきです。アセトアミノフェンなどの安全な解熱鎮痛剤を使用するようにしましょう。
細菌感染を合併した場合は、抗生物質を使用します。とびひ(伝染性膿痂疹)などの皮膚の細菌感染には、抗菌薬の軟膏や内服薬を使用します。重症の場合は、入院して点滴による抗生物質投与が必要になることもあります。
水痘(水ぼうそう)の予防には、ワクチン接種が有効です。水痘ワクチンは、生ワクチンであり、1歳以上の小児に接種が推奨されています。ワクチン接種によって、水痘(水ぼうそう)の発症を予防したり、発症した場合でも症状を軽くすることができます。2回の接種が推奨されており、1回目接種後3ヶ月以上あけて2回目を接種します。
水痘(水ぼうそう)についてのよくある質問
Q1. 水痘(水ぼうそう)は大人もかかる?
A1. はい、水痘(水ぼうそう)は大人もかかる可能性があります。特に、過去に水痘(水ぼうそう)にかかったことがない人や、ワクチン接種を受けていない人は、感染するリスクが高いです。大人が水痘(水ぼうそう)にかかると、小児よりも症状が重くなることがあります。
Q2. 水痘(水ぼうそう)にかかったら、いつから登園・登校できる?
A2. 水痘(水ぼうそう)は、すべての発疹がかさぶたになり、感染の恐れがなくなってから登園・登校できます。目安としては、発疹が出現してから5~7日程度です。医師の許可を得てから登園・登校するようにしましょう。
Q3. 水痘(水ぼうそう)の予防接種は、何歳から受けられる?
A3. 水痘(水ぼうそう)の予防接種は、1歳以上の小児に接種が推奨されています。生後12ヶ月から15ヶ月の間に1回目の接種を受け、3ヶ月以上の間隔をあけて2回目の接種を受けることが推奨されています。
院長より
水痘(水ぼうそう)は小児期によくみられる感染症ですが、大人もかかることがあります。当院では、水痘(水ぼうそう)の診療において、患者さんの症状や状態に合わせて、適切な治療を提供することを心がけております。
水痘(水ぼうそう)は、感染力が強く、家庭や保育園、幼稚園などで感染が広がりやすい病気です。しかし、ワクチン接種によって、発症を予防したり、症状を軽くすることができます。
水痘(水ぼうそう)に関するご不安やご質問がありましたら、どんなことでもお気軽にご相談ください。地域の皆様の健康をサポートできるよう、スタッフ一同、丁寧な診療を心がけてまいります。
